喜多直毅
ヴァイオリン奏者・作編曲家
国立音楽大学にてヴァイオリンを諏訪晶子に師事。在学中より志賀清志(Vln.)、池田光夫(B.N.)、京谷弘司(B.N.)の楽団で演奏しながらタンゴを学ぶ。同学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてアストル・ピアソラ五重奏団でヴァイオリンを勤めたFernando Suárez Pazよりタンゴ奏法を学ぶ。帰国後は京谷弘司、小松亮太(B.N.)の楽団のコンサートや演奏旅行、レコーディングに参加する。
並行して鬼怒無月(Gt.)のプログレッシブロックグループ"Salle Gaveau"に参加する。同グループは日本国内はもとより海外ツアーも頻繁に行い各地で好評を博した。また我が国におけるアラブ古典音楽の第一人者でありウード奏者の常味裕司率いる楽団"Farha"にも参加。
現在は即興演奏やオリジナル作品の演奏を中心に活動を行っている。
タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、その独創性と精神性において高く評価されている。並行して、トラディショナルなタンゴを演奏する“喜多直毅タンゴ四重奏団”や田中信正(Pf.)や西嶋徹(Cb.)との“喜多直毅トリオ”を主宰。翠川敬基(V.C.)とは即興演奏を中心とした演奏を重ねている。黒田京子(Pf.)とは映画音楽やシャンソン、日本の昭和歌謡にオリジナル編曲を施し、ドラマティックな世界を創り出している。コントラバス奏者の故・齋藤徹とは国内はもとより欧州各地で演奏を行う他、CD制作にも加わる。邦楽・韓国伝統音楽奏者・ダンサーとの共演も数多い。前述の喜多直毅クアルテットは2022年にピナ・バウシュ舞踊団の中心的メンバーであったJean SasportesとBénédicte Billetと共に公演を行った。
作家・高樹のぶ子の朗読プロジェクト、俳優座所属女優の長浜奈津子との朗読ユニットでの演奏や楽曲提供など、言葉を扱う分野とのコラボレーションも行っている。ソングライターとして歌手の上條恒彦、カルメンマキ、さがゆき、松本泰子に楽曲提供を行っている。
これまでにオリジナルアルバムを13作品リリース。我が国において最も先鋭的な音楽活動を行うヴァイオリニストの一人として注目されている。(敬称略)